USB接続の外付けSSDを自作するメリットと注意点

2019年6月29日

外付けのポータブルSSD(大容量データの高速転送用&ブートディスク用として)が必要になり自作しました。これから自作を考えている人向けに、注意点をまとめます。

外付けSSDを自作するメリット

ポータブルSSD、外付SSDなどのカテゴリで市販品も出回っています。あえて自分で作成するメリットは

  1. 既成品を購入するよりも安い
  2. 自分のパソコンに合った性能で構成できる
  3. 好きなデザインのケースを選べる
  4. 保証期間が長い

2.5インチの外付けSSDの場合、既製品を買うよりも自作した方が10-20%程度安くなります(M2 SSDは割高ので更にお得に)。例えば外付けSSD(480GB)で価格.com人気上位の下記製品は7000円弱(2019/6時点)ぐらい 。


同じスペックのものを自作した場合。

専用ケースが1000円、内蔵SSDが5000円で計6000円ほど。容量が大きくなるほどお得になっていきそう。

性能に関していうと、データの転送速度がパソコン側のUSB端子に依存するため、無駄に高スペックのものを買っても活かしきれないことがあります(後述)。市販の外付けSSDは高容量になるほど高性能なものが多いので、性能の無駄遣いになるかもしれません。

また、ケースを耐久性重視にしたり、見た目なども好きに選べます。
こんな感じで、さまざまなデザインのケースが出ています。



一番重要な点として、 直接、内蔵SSDを買えば3-5年のメーカー保証があること。ポータブルSSDを販売会社は、内部に用いているSSDを別のメーカーから調達していることがあります。この場合、保証期間が1-3年と短いものが普通です。

自作するにあたっての注意点

外付けSSDを準備するうえで知っておくべき情報は、

  • SSD規格:「2.5インチ SSD」か「NVMe M.2 SSD」
  • USB規格:ケースとパソコンの接続口
  • SSDの厚みとケース側の対応厚:7 or 9.5 mm( 最近のSSDはほぼ7 mm)

逆にこれを把握せず、闇雲に買ってしまうと、自分のパソコンでは出せない転送速度の外付けSSDを無駄に高い値段で作ってしまったり、SSDの速さを活かせなかったりします。

SSDの規格

内臓SSDを買うときにチェックするべきなのは、「2.5インチ SSD」か「NVMe M.2 SSD」のどっちであるか。

2.5インチ SSD NVMe M.2 SSD
転送速度約 600 MB/s
(SATA3.0接続)
約 3200 MB/s
(PCIe3.0×4 接続)
値段 安い 高い
発熱少ない高い


現状のUSB接続でM.2 SSDの速度を最大限活かせるものはないため、2.5インチを推奨(次項参照)。 

転送速度は理論値なので実際はもう少し下がります。

USB端子の規格

購入前に専用ケースとパソコンのUSB規格をチェックしておきましょう。
最近のパソコンであればUSB3.0はほぼ搭載されていますが、USB 3.1 Gen2はハイスぺPCでないとまだまだ珍しいです。

USB 2.0 USB 3.0
(USB 3.1 Gen1)
USB 3.1 Gen2
転送速度60 MB/s500 MB/s1000 MB/s
対応SSDの値段
対応ケースの値段


先ほどの表では、SATA3.0接続2.5インチSSDの転送速度は最大でも600 MB/s)でした。ただこれは理論値のため実際はもう少し低くなります。そのため500 MB/sのUSB 3.0が妥当です。ちなみに USB 3.1 Gen1 はUSB3.0と同じものです。

NVMe M.2 SSDでは最大 約3200 MB/sもの速度で転送できますが、現行のUSB側の性能がボトルネックとなり、1000 MB/s(USB 3.1 Gen2 )までしか速さを活かせません。

もう少しこだわる人向け

専用ケースには同じUSB 3.0でも「UASP 対応」というのがあり、こちらのほうがより早くなります。がパソコン側にも対応ドライバが必要です。

USB Attached SCSI Protocolの略で、
USB3.0の転送速度5Gbpsを最大限に引き出す転送方式です。
UASPモードを使用すれば、超高速でデータを転送することが可能です。

UASPモード対応_2.5インチケース

また、SSDおよび専用ケースが金属かどうかもポイント。放熱性の観点からSSDの寿命にかかわります。発熱の多いM.2 SSDでは金属製のが安心です。

ただ耐久試験で確認されているため (特にもともと発熱の少ない2.5インチSSDでは)、どちらでも問題ないと思います。より長く使うために努力を惜しまない、というのであれば金属製を選びましょう。